近年芸能界で話題になっている”奴隷契約”。
奴隷契約とは、芸能人が所属事務所から独立・移籍する際に契約をチラつかせて独立させないようにすることです。
最近では売れっ子タレントのローラさんが所属事務所との契約時に交わした内容が話題になりましたね。その契約内容は、『10年の長期契約』『事務所の了承がないと辞めることが出来ない』『契約終了後、2年間は芸能活動をしてはいけない』というものでした。
ローラさんはこの奴隷契約により、ギャラも減らされ、意に沿わない仕事もさせられてきたといいます。
今回は芸能人の独立・移籍の『暗黙のルール』、また奴隷契約は違法ではないのか?に迫っていきたいと思います。
目次
芸能人の独立・移籍の『暗黙のルール』とは
ここ最近、芸能人の独立・移籍で所属事務所と揉める事が多くなってきましたね。
昔は、契約書を武器に半ば”奴隷”のような形で押さえつけて働かせていましたが、TwitterなどのSNSの普及により、芸能人自ら奴隷契約を世間に公表するケースも増えてきました。
このような問題が発生する原因は双方の利害の不一致が原因です。
芸能人の心境
- 売れてきたしもっと楽な仕事をしたい
- 独立してもっと稼ぎたい
- 今の事務所では給料が低い
- 嫌な仕事をさせられる
所属事務所の心境
- お金をかけて売り込んだタレントを手放したくない
- 契約書に基づいて行動してほしい
どちらにも言えることは結局”金”なんですよね。
しかし、所属事務所は売れるかわからないタレントの卵と契約して、多額の費用や時間をかけてタレントを売り込んでいます。
売れればラッキーですが、もし売れなければ、その分の費用と時間は無駄になるわけです。そのためにレッスン料と称して毎月とっている事務所もありますが…
それを人気が出てきた途端「売れたから独立・移籍します」では「はい、どうぞ」とはいきませんよね。
もしこれが許されるのなら芸能界は引き抜き合戦になりますし、所属事務所に所属する意味というものがなくなります。
基本的に芸能人が独立・移籍する際は”禊”として一定期間活動を自粛するのが暗幕の了解です。
所属事務所に移籍金を支払うケースも多いですね。
最近では大手芸能事務所レプロエンタテインメントから独立した女優の能年玲奈さんが自身の本名である”能年玲奈”名義で活動することができなくなり『のん』に改名して活動しています。
奴隷契約を公表した先駆者ですね。
さらに、最近ではジャニーズから独立した元SMAPの香取慎吾さん、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さんも記憶に新しいです。
元SMAPの3人の場合は、独立まえに、ジャニーズのブラック体質が暴露されてしまい世間のヘイトを完全に集めてしまった結果、3人へ、ジャニーズの権力というものを発揮できなかった印象です。
本来なら完全に消えてもおかしくないレベルですが、もしかしたらこのブラック報道も元SMAP3人を引き連れて独立した元チーフマネージャーの飯島三智さんの戦略なのかもしれませんが。
さらにテレビ業界ではなくジャニーズが手を出していないネットメディアに逃げたのも大きかったかもしれません。
さすがの大手芸能事務所もメディアがここまで多様化していれば、すべてに圧力をかけるというのは不可能ですからね。
ただまあ、3人のレギュラー番組がジリジリと終了している事実は確かです。
芸能人の奴隷契約は違法なのか
元国民的アイドルでさえこの状況の奴隷契約、芸能人の独立・移籍を所属事務所が制限することは違法ではないのでしょうか?
結論から言ってしまえば、
A.違法
の可能性が非常に高いです。
芸能人やタレントの独立・移籍を制限することは『独占禁止法』に抵触する恐れがあります。
最近では、このような奴隷契約について公正取引委員会が調査に乗り出していることもあり、これから改善されていくことでしょう。
所属事務所と独立・移籍で揉めた芸能人たち
上記のローラさん、能年玲奈さん、元SMAPの3人以外にも、所属事務所と独立・移籍を巡って争っていた芸能人がいました。
西島秀俊
かつては、俳優の西島秀俊さんが当時所属していた『渡辺プロダクション(ワタナベエンターテインメント)』を移籍した結果、民放5年間出演禁止され、5年間テレビから姿を消していました。これは…さすがナベプロと言ったところでしょう。
干されている間、映画だけには出演しており、1999年には映画『ニンゲン合格』で主演男優賞を受賞しております。
5年間テレビから消えても復活する西島秀俊さん、さすがです。
くりぃむしちゅー
【チャリティトークライブ】
6月19日(月)くまもと森都心プラザで開催されるライブに、熊本のANNリスナーの方【限定】で優先【100席】をご用意しました!
詳しくは番組HPにある「バナー」をクリックしてください!https://t.co/55mPWKX3hl#ariue pic.twitter.com/cVM5Ghxq8h
— くりぃむANN【公式】 (@ariue_ann_jolf) 2017年5月29日
くりぃむしちゅーの二人は以前は、株式会社プライムという芸能事務所に所属していました。あまり聞かない名前ですが、有名所でいうと演歌歌手の市川由紀乃さんが所属しています。
くりぃむしちゅーとプライムは独立を巡って衝突、1年もの長い交渉の結果、『2年間は売上の2割を上納する』という条件で独立できたそうです。
ただ、これには裏があって、くりぃむしちゅーが独立してたちあげた会社『ナチュラルエイト』の社長はプライムで、くりぃむしちゅーのマネージャーを務めていた大橋マネージャーという女性です。
さらに、ナチュラルエイトは株式会社プライムの子会社ということもあり、実際はただの税金対策とも言われていますね。
菅野美穂
大手芸能事務所から独立というパターンを紹介してきましたが、菅野美穂さんの場合は、弱小プロダクションから”引き抜き”という形で移籍しています。
菅野美穂さんは以前は『タニ・プロモーション』という芸能事務所に所属していました。そんな彼女を引き抜いたのが大手芸能事務所『研音』だったのです。
その際の移籍金として数億円を支払ったとも言われており、それほど芸能人の独立・移籍は大変なことなのですね。
『芸能人の奴隷契約は違法!?独立・移籍の暗黙のルールとは』を45秒で解説
芸能人の独立・移籍は多額のお金が動くということもあり、たびたび揉めていますね。さらに契約時の奴隷契約を理由にありえない給料で働かされている芸能人もいるようです。
「所属事務所を辞めて個人でやればいいのでは?」
芸能界というのは思っているずっと狭い業界で、ほとんどが身内で仕事を回しています。
権力がある人が「〇〇がウチから離れたのでよろしく」とテレビ局のプロデューサーに言うだけで簡単に干されてしまうのです。
最近では、ネットメディアも普及してきて、テレビだけではなく、様々なメディアで活動できるようになってきました。しかし、お年寄りなどの間では、いまだに『テレビこそこの世のすべて』という人も多く、まだまだテレビの影響力というのは軽視できません。
そうならないためにも、芸能人と所属事務所、双方が納得する形で独立・移籍するのが一番ですね。
西島秀俊ってそんな過去あったんだ